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トンネル吹付けコンクリート(京極発電所建設工事)

概要

 近年、トンネルの施工において標準工法として定着してきているNATM工法における支保部材の吹付けコンクリートの構成材料であるセメントや細骨材の一部をフライアッシュに置換えすることにより、吹付け時のリバウンド率の低減による使用材料の節約や粉塵量の低下による作業環境の向上が図れるものと期待されます。
 京極発電所建設工事現場を利用して行った現場施工試験結果について、その概要を紹介します。


施工概要

工事範囲
工事範囲
吹付けコンクリート状況
吹付けコンクリート状況
標準断面図
標準断面図

水路縦断図
水路縦断図

試験結果

【現場施工試験結果】

1.リバウンド率及び粉塵量低減効果
 吹付けコンクリートの構成材であるセメント及び砂の一部をフライアッシュに置換したケースと砂のみを置換したケースでのリバウンド率及び粉塵量は図-1、2に示すとおり、標準配合(フライアッシュで置換しないケース)に比べて減少しています。
図-1 リバウンド率
図-1 リバウンド率
図-2 粉塵量
図-2 粉塵量

注) C10S10:セメント10%砂10%をフライアッシュに置換配合
 C20S10:セメント20%砂10%をフライアッシュに置換配合
 S20、S30:砂20%、砂30%をフライアッシュに置換配合
2.圧縮強度
 材齢(施工後の経過時間)24時間の圧縮強度(プルアウト強度:図-3)はすべてにおいて要求強度5N/mm2を満足しており、C10S10以外は標準配合を上回る結果となりました。(初期強度は急結材添加量に大きく影響されることから、C10S10では標準配合より若干低下した。)また、材齢28日の圧縮強度(図-4)は、S20、S30を除く配合では標準配合と同等の結果となり、すべての配合で設計基準強度18N/mm2を大きく上回り実施に適用できると判断されます。
図-3 初期強度(材齢24時間)
図-3 初期強度(材齢24時間)
図-4 長期強度(材齢28日)
図-4 長期強度(材齢28日)


施工規模

フライアッシュ使用量:

(平成14年度分)苫東厚真発電所2、4号灰    270t
(平成15年度分)苫東厚真発電所4号灰      995t
(平成16年度分)苫東厚真発電所4号灰      748t


設計条件

設計条件

1.初期強度(プルアウト試験)3h:1.5N/mm2以上、24h:5.0N/mm2以上
2.長期強度(一軸圧縮試験)18kN/mm2(材齢28日)

配合

1.配合の基本的な条件
単位結合材:360Kg/m3
細骨材率(s/a):60%
スランプ:
15±2.5cm(粉体量が多くなることから粘性が増大し、圧送性が低下することが想定されたため15±2.5cmとした。)
粗骨材最大寸法:
13mm(粗骨材および細骨材は、材料の入手の容易さならびに経済性を考慮して工事場所近傍の購入砕石および購入砕砂を使用することとし、室内試験(フレッシュコンクリートの性状(モルタルフロー、スランプ経時変化、モルタル凝結時間)ならびに硬化コンクリートの性状(圧縮強度)を確認した。)により、最適な粗骨材最大寸法を13mmとした。)
2.コンクリートの配合
標準配合とフライアッシュを使用した京極発電所放水路トンネルの仕様を示す。
3.使用材料

品質管理

品質管理項目


施工結果

1.圧縮強度試験結果
2.スランプ測定結果
3.粉塵濃度測定結果
目標レベル:3.0mg/min
「ずい道等建設工事における粉塵対策に関するガイドライン」
(平成12年12月26日労働省労働基準局長)

参考資料

1)「フライアッシュ吹付けコンクリートへの適用性に関する基礎的実験」
(土木学会北海道支部平成14年度論文報告集第59号、pp818〜821)
2)「フライアッシュ吹付けコンクリートの実構造物への適用(室内試験)」
(土木学会第58回年次学術講演会、V598、2003pp1199〜1200)