石炭灰関連用語集
ア | 硫黄酸化物 | 燃料中の硫黄が燃料反応において生成する硫黄酸化物の総称。主として、二酸化硫黄(SO2)と三酸化硫黄(SO3)とである。 |
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カ | 海外炭灰 | 一般には海外炭は国内炭に比べ、粉砕性がよく灰のブレーン比表面積が大きくなる傾向にある。一方、揮発分が少ないことから燃えにくく灰の強熱減量が大きくなりがちであり、また灰の融点が高く球状化粒子が少ないことから有効利用面で不利になることが多い。 |
化学抵抗性(石炭灰) | セメントにフライアッシュを混合すると、不溶性の固いポラゾン反応物質を作り、その反応により遊離した不安定な水酸化カルシウムがフライアッシュの成分と結合、安定化し、硫酸、塩、海水、薬液等に対する反応が抑えられること。 | |
活性度指数 | 水結合材比を一定として、基準モルタルに対する試験モルタルの圧縮強度の比を%で表したもの。フライアッシュのポラゾン活性が正しく評価できない圧縮強度比に代わって導入された。 | |
ガラス化率(水砕の) | 水砕スラグのガラス質の量全体に対する割合を表す。測定法は一般に偏光顕微鏡を用いる顕微鏡法が行われる。このほか、X線回折を利用する方法もある。 | |
カルシウム・シリケート 水和物質 |
フライアッシュをコンクリートの混和材とした場合、フライアッシュ中のガラス状のSiO2やAl2O3がセメントの水和によって生成されるCa(OH)2と反応することによって生成する物質3CaO・2SiO2・3H20である。 なお、一般にポルトランドセメントの構成鉱物の70〜80%は、3CaO・SiO2と2CaO・SiO2とされている。 | |
乾式排煙脱硝装置 | 排ガス中の窒素酸化物(NOx)を媒体を用いて乾式で処理する装置。 | |
乾式排脱硫装置 | 排ガス中の硫黄酸化物(SOx)を活性炭等を用いて乾式で処理する装置。 | |
基準モルタル | 普通ポルトランドセメントを用い、フライアッシュを混入しないで、作製したモルタル。フライアッシュを混入して作製した試験モルタルをこの基準モルタルと対比すればフライアッシュの品質の指標となる。 | |
既成灰 | 既に埋立処分場で埋立ててあり、ある年数を経過した石炭灰のこと。建設材料(盛土材料、埋立材料等)として期待され、石炭灰の大量安定供給につながる。 | |
揮発分 | 石炭を比較的低温で加熱したときの減量の重量割合から固有水分を差し引いたもの。 | |
強熱減量 | 石炭灰中の未燃分の比率を示す指標。JIS A 6201では975℃±25℃で強熱後での石炭灰の減量分で示し規格値はフライアッシュII種では5%以下としている。 | |
クリンカアッシュ | ボイラ底部で回収された石炭灰を砕いたもの。砂状で多孔質。 | |
原粉 | 分級選別前のフライアッシュ。 | |
コークス化性 | 石炭を加熱、乾留する際の粘結、膨張現象により製造したコークス強度に関する性質。コークス化性が特に高い石炭を強粘結炭という。 | |
固有水分 | 大気中の湿気と平均状態で石炭が吸着している水分。 | |
固定炭素 | 水分・灰分・揮発分の和を100から差し引いた残りの百分率の値。 | |
サ | 細粉 | 原粉を分級選別した細かいフライアッシュ。 |
JIS灰 | 主として原粉を分級選別した細粉でJIS A 6201に適合するもの。(但し、原粉のままで適合するものもある。) | |
試験モルタル | ポルトランドセメントのある割合をフライアッシュに置換して作製したモルタル。フライアッシュを混入しない基準モルタルと対比することでフライアッシュの品質の指標となる。 | |
新生灰 | 既成灰に相対する用語で、火力発電所で発生してからまだ埋立処分されていない石炭灰。 | |
石炭化度 | 太古の植物が堆積し、長年月の間に生化学的作用や地熱・地圧の作用を受けて次第に変化していく度合い。 | |
粗粉 | 原粉を分級選別し細粉を除いた粗いもの。 | |
タ | 単位水量比 | 試験のモルタルのフロー値を基準モルタルのフロー値に合致させるよう水量を選び、この水量の基準モルタルの水量に対する比を%で表したもの。 |
窒素酸化物 | 燃焼反応において生成する窒素酸化物(NOx)の総称。ボイラ排ガス中の窒素酸化物(NOx)は主として、一酸化窒素(NO)と二酸化炭素(NO2)とである。 | |
貯灰サイロ | 空気輸送されたフライアッシュを一時貯蔵する槽。 | |
電気式集塵装置 | 放電極のコロナ放電を利用して含じんガス中の粒子に電荷を与え、この帯電粒子を集塵電極に分離捕集する装置。 | |
土壌の汚染に係る 環境基準 (環告第46号) |
環境基本法(平成5年法律第91号)第16号第1項による土壌の汚染に係る環境上の条件につき、人の健康を保護し、及び生活環境を保全するうえで維持することが望ましい基準。 | |
ハ | 灰分 | 石炭を空気中で815℃に加熱したときの残留分。 |
比表面積 (ブレーン方法) |
石炭灰の細かさを表す指標である粉末度はJIS A 6201では粒子郡単位質量当たりの外部表面積(cm2/g)を採用している。このブレーン方法は従来からセメントに適用されている方法で原理は空気透過法である。 | |
微粉炭機 | 石炭を微粉砕する装置。 | |
微粉炭バーナ | 微粉炭と空気とを混合して燃焼させるバーナ。 | |
付着水分 | 石炭の表面に機械的に付着している水分。湿分とも言う。 | |
フライアッシュ | 微粉炭燃焼ボイラの燃焼ガスから集塵器で採取された石炭灰。一般には球状ガラス質。 | |
ふるい残分 (45μmふるい残分) |
45μmメッシュの試験用ふるいによってふるった後の残分(粗いもの)の量を%で表したもの。 | |
フロー値比 | 普通ポルトランドセメントを用いて作製した基準とするモルタルのフロー値に対する、混和材と普通ポルトランドセメントとを用いて作製した試験モルタルのフロー値の比を百分率で表した値。 | |
分級器 | ボイラからの燃焼灰(シンダ及びフライアッシュ)をある粒径範囲に選別する装置。 備考)分級器に入る燃焼灰を原粉(raw fly ash)、分級された成分で粒度分級器の粗いほうを粗粉(coarse fly ash)、細かいほうを細粉(fine fly ash)と呼ぶ。 |
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粉末度 | フライアッシュの粒子の細かさを示す指標で、JIS A 6201では、比表面積(ブレーン方法)と45μmふるい残分(網ふるい方法)とがある。 | |
マ | メチレンブルー 吸着法 |
フライアッシュの未燃分中の活性炭素は有機物を吸着する。そのため、フライアッシュを混入したAEコンクリートではAE剤が吸着され、必要量が増加する。AE剤の代わりに、吸着される物質としてメチレンブルー(深青色の有機色素)を使えば比色によってその吸着量が測定でき含有未燃分(強熱度減量)の指標となる。 |
ヤ | 溶出性(石炭灰の) | 石炭灰と水の懸濁状態から石炭灰の各種成分が土壌等環境に溶出すること。 |
ラ | 流動性 (フライアッシュ) |
フライアッシュは微細な球形をしているので、コンクリートに混合するとボールベアリング効果により流動性が改善され、コンクリートのワーカビリティーが向上する。また同一スランプを得るための所要水量は減少する。 |