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気泡混合軽量土(狩場トンネル)

概要

 平成13年8月から北海道開発局函館開発建設部が一般国道229号狩場トンネル南側坑口付近における急崖斜面の落石・岩石崩壊対策として、一部オーバーハングした斜面に近接する坑口部分(覆道を含む延長約100m区間)に盛土(エアミルク)を行っています。
 従来エアミルクは、単位セメント量が多く使用されており、今回、セメントの一部にフライアッシュを置換しました。


特徴

 フライアッシュのポゾラン効果を活かし、セメントの一部置換利用を行うことにより、材料費の低減が可能になります。


狩場トンネル坑口付近状況(施工前)
狩場トンネル坑口付近状況(施工前)

標準施工断面
標準施工断面

施工方法

 日打設量(最大約830m3/日)に対応するため、エアミルク製造プラントを現場に2基(80m3/h、30m3/h)設置しました。
 エアミルクの打設にあたっては、地山からの水の侵入を防止するため、事前に排水管設置による水替えを行いました。
 また、エアミルクの打設高さは、材料分離防止のため1m/回以下としました。

エアミルクの製造・打設フローチャート(Bプラント)
エアミルクの製造・打設フローチャート(Bプラント)

打設状況
打設状況

保護盛土全景
保護盛土全景


施工規模

フライアッシュ使用量 : 苫東厚真発電所2号灰 2,159t
(平成13年度分)   : 奈井江発電所 1,781t

設計条件

エアミルクの品質条件(道路公団K0-5)


配合

灰種ごとの配合

フライアッシュの品質


品質管理

品質管理試験項目


品質試験
結果

圧縮強度(qu28)の品質試験結果


参考資料

1)石炭灰の気泡混合軽量土への適用性
(地盤工学会北海道支部 技術報告集 第42号、平成14年1月)
2)フライアッシュのエアミルクへの適用性
(電力土木 No.297、平成14年1月)
3)気泡混合軽量土を用いた軽量盛土工法の設計・施工に関する指針原案
(日本道路公団試験研究所 試験研究技術資料 第225号、1996)
4)石炭灰を使ったエアモルタルの特性
(電力土木 No.291、平成13年1月)